人類のラスボス

検査


元気だった頃。しっぽぴこぴこお昼寝。

「癌とは何か」みたいなことを昨日からずっと考えてしまっている。以下特に目新しいことはないのだが書いておく。

癌とは細胞のコピーの失敗であると考えることができる。細胞の設計図であるDNAは構造が複雑で、分裂時に壊れてコピーされるということが時々起きている。放射線なども影響するが基本的にはランダムで壊れる。要は運が悪いと壊れるのだが、逆に言えば細胞のような複雑なものが正常に機能し続けることがラッキーなのであり、特に理由なく複製失敗しても感覚的には不思議ではないと思える。理由がなければ原因もわからないし予防策もない。通常、不完全にコピーされた細胞は生きる能力がないので勝手に死ぬか、体の免疫機能によって死ぬので増殖はしない。が、運悪く増殖機能を有してしまうことが稀によくあり、これが悪性腫瘍つまり癌ということになる。しかも悪いことに増殖速度がぶっ壊れて速かったりする。

直感的にはこれが人類に治せるようになる気があまりしない。手術で切り取っても薬や放射線で叩いても全滅は難しそうだし、壊れた細胞を復元するには覆水を盆に返す魔法が必要だ。医学の進歩で様々な病気が治るようになって最後に癌が残った。人類のラスボスは癌だったのだ。


癌の診断翌日。顎の異変が痛々しい。