検査

紹介された腫瘍外科の専門医を訪ねて、大学付属の動物病院へ。

紹介状を渡し、猫を預け、診察の間しばらく外で朝食を摂りながら待つ。その後再び診察室へ。

先生と治療方針について話し合う。選択肢は実質3つ。
・積極的治療MAX:下顎を舌も含め全切除
・積極的治療:下顎の3分の2を切除
・積極的治療しない:手術せず放射線のみ

舌も含め全切除というのはあまり前例がないらしく、QOLコントロール的にはかなりチャレンジングらしい。つまりどうなるかわからないので、おすすめはしない感じだった。

3分の2切除の場合は、マージンがほとんど取れないので腫瘍を完全に取り切れる可能性が低い。ベストを尽くすがおそらく残ってしまうだろうとのこと。残っていれば時間は稼げるがいずれ再発する。

放射線または抗癌剤のみの治療は効きにくく、余命は予測しづらいが3ヶ月持てばいい方(と明言はしてなかったかも)。

ちなみに手術代はもろもろトータルで30万円ぐらいらしい。また手術すると顎がなくなるので、同時に胃瘻チューブ設置の手術も行い、以後食事はそこから与えることになる。

考えられることはすべて考え大変悩んだが、身体は元気なので手術に耐えられそう、本人はその後を生き抜く精神力も持っていると判断。自分は家で仕事しているのでつきっきりの介護もできる。結論としては下顎の3分の2を切除し、取り残しは放射線で叩くことになった。手術は1週間後に決まった。


今日もお疲れ様。

検査

元気な頃のしーたん

前回の診断でほぼ扁平上皮癌とわかったものの、ではどう治療していくかは引き続き検査をして決めなくてはならない。

まずは腫瘍の進行具合をCTで調べ、手術の可否の判断をする。臓器へ転移していれば手術することは難しく、余命も短くなることだろう。現段階からのベストケースシナリオは手術で取り除けて、QOLをなるべく下げずに生き続けることとなる。

地元の病院にはCTの機械がないので、本日別の病院の予約を取ってもらった。検査中動いてはならないため、動物の場合は全身麻酔をする。全身麻酔は術後覚めなかったり術中死亡するリスクがゼロではないため、まず麻酔に耐えられるかの検査が事前に必要となる。これらのことを前回説明され、その場で検査してもらってOKだったので、本日CTできることになったのだった。いろいろ大変だ。

今日は何故か行く途中やたら警察が多くて、車線を間違えて変更した際に捕まってしまった。反則金6,000円。何という負のスパイラル。悔しいが怒りのやり場がない。

午前中に預けて一旦帰り、夕方麻酔が覚めた頃に迎えに行く。預ける際には全身麻酔に関する同意書(要は死んでも文句言いません的な、色々恐ろしいことが書いてある。意図や必要性はまったく理解できる)に署名。幸い麻酔からは問題なく覚め、帰りの車内ではもう元気に暴れ回っていた。帰れるのが嬉しいのかテンション高い。

検査の結果は、転移は認められなかったものの、左下顎から広がった腫瘍が中央のラインを越えかけており、手術する場合は切除範囲が顎の片側では済まない可能性が高いという、最悪ではないが判断が難しい感じ。とりあえずデータを受け取り、それを地元の動物病院に見せて今後の方針を相談することになる。

データはDVD-Rで渡されたので、持って行く前に自分のPCで見てみた。CTのデータは身体を少しずつ輪切りにしたような画像のセットになっていて、マウスのホイールで進んだり戻ったりできる。レントゲンでは得られない、体内の三次元的な解析が可能。


左下が上下逆だが顔前部の断面。顎の骨が変形し、左右対称でなくなっている。

以下のフリーソフトで閲覧。
Radis情報サイト
http://www44.atwiki.jp/radis/
ここで見つけた。
医療画像、検査分析のフリーソフト集/医用画像ビューア・画像診断・医用検査報告書
http://johnny-g.watson.jp/frsoft/medical/gazyouken2.htm

検査

昨日から癌とは何かをずっと考えていた。以下素人のうだうだ。

癌とは細胞のコピーの失敗であると言えるだろう。細胞の設計図であるDNAは構造が複雑で、時々分裂時に壊れてコピーされる。放射線なども影響するが基本的にランダムで壊れる。要は運が悪いと壊れるのだが、逆に言えば生き物の細胞のような複雑なものが正常に機能し続けることがラッキーなのであり、特に理由なく複製に失敗しても不思議ではないと感じられる。理由がないと原因もわからないし予防もできない。こうした細胞は生きる能力もなく勝手に死ぬか、体の免疫機能によってすぐ死ぬので通常増殖しない。が、運悪く増殖機能を有してしまい悪性腫瘍となることが稀によくあるということだ。

直感的に、これが人類に治せるようになる気があまりしない。手術で切り取っても薬や放射線で叩いても全滅は難しそうだし、壊れた細胞を復元するには覆水を盆に返す技術が必要だ。医学の進歩で様々な病気が治るようになって最後に癌が残った。人類のラスボスは癌だったのだ。


癌の診断翌日。顎の異変が痛々しい。

検査

猫と嫁と3人での幸せな生活。しかし永遠に続く幸せはないのである。

冗談抜きでこの日を境に世界が変わってしまったと思った。癌であることを知る前の世界に、もう戻ることはできない。

癌の知識がなさ過ぎた。少し前に嫁がしーたんの下あごの様子がおかしいことに気付き、今朝地元の動物病院へ。以前もあった虫のアレルギーか、歯周病あたりだろうかと予想していたが、レントゲン検査および細胞診が行われた結果、扁平上皮癌(の強い疑い)ということだった。下あごは切除になるかもとのこと。

ショックを受けながら猫の扁平上皮癌についてネットで調べ、だいたい概要を把握した。また、知識があればもう少し早期に発見できたかもという考えが捨てきれない。時間を戻してすぐに病院に連れて行きたい。これについてはこれから一生後悔するのだろう。長い1日だった。


元気だった頃。お気に入りの1枚。て言うか全部お気に入りだ。